めんどくさいからなんもしない

何もしないだけをする

2021.3.27 LUNA SEA RELOAD さいたまスーパーアリーナ初日 

 

13か月ぶりのLIVEである。

LUNA SEAにとっても13か月ぶり、私が最後に行ったのはLUNA SEAではないけど、それでも最後は2020年の2月だから13か月ぶりに違いはない。

 

あの12月26日から3か月。

緊急事態宣言が開けたばかりの一都三県。

LIVEのない1年、ほとんど県境を越えることもない1年を過ごしてきた。

感染面でも、システムの面でも、自身の感情の面においても、不安がないといったら嘘になる。

様々な感情が渦巻く中で、足取り重く、それでも再びこの地にやってきた。 

 


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ゲートでは消毒、検温。

チケットは自らもぎって箱に入れる。

フラワースタンドの展示はなし。

グッズの当日販売なし。

いつも配られる宣伝冊子の配布なし。そのかわり開演前や休憩時間に大型ビジョンに各ソロ活動等の情報が映し出されていた。

座席はひとつ飛ばし。

声出しNG。声援は心の中で。

 

今は「イレギュラー」な対応だけど、中には「ニューノーマル」となるものもあるんだろうか。

 

 

30分ほど前に会場入りして席に着く。

嫌に緊張する。

客席内での会話は控えるようにとお達しがある上に、SLAVEシートは連番で購入することができないのでおしゃべりも少なく静かなものだった。

それがまた緊張を誘う。

 

15分くらい押して、客電が落ちた。

歓声はなく、人々は心なしかゆっくりと、周囲をうかがうように立ち上がる。

眩いばかりのライトに照らされたステージに、メンバーが現れた。

斜め前のお姉さんが号泣した。

つられて私も何かがこみあげてくるのを感じる。

 

そして13か月ぶりに音が出る。

 

音、わっる。

 

音が悪すぎてびっくりしました。

さいたまスーパーアリーナってこんな感じだっけ?

でも今までそんな風に思ったことなかったしな?

LIVEってこういうものっていうのを忘れてしまったか???

 

LIVEってリハーサルやってるはずなのに本番始まってから音の調整したり、メンバーがキレたり、そういう場面をよく目にすると思うんですけど、どうやら会場に人が入ると音が変わってしまうらしいですよね。

だから始まってからも調整が必要になる。

過去何回も同じ条件でやっているであろうLIVEでも毎回そうなんだから、今回のイレギュラーな条件で一発でうまくいくはずがない。

キャパの50%の観客数での開催、等間隔で空間がある状態が最後尾まで続いていて、なおかつ誰も声を出さない。

こんなLIVEは初めてやるんだろうし、「観客が入った状態」に至っては何度リハーサルをしたところでぶっつけ本番でしかない。

最初の聴こえ方も仕方ないのだろうなあ。

(天候はもちろん、雨の日はお客さんがしっとりした状態で入ってくるからそれだけでも変わってしまうとか…)

 

 

気を取り直して、最初は予想通りLUCA

常に先へ、さらなる高みを目指すLUNA SEAが、今求める未来を表現するなら、LUCAしかない。

LUNA SEAにとって直近のさいたまスーパーアリーナ公演である2019年ルナクリのラストナンバーがLUCAだったので、途切れた線が繋がった感覚もありました。

LIVEでみんなで歌うことを想定して作られたように感じられるラストの部分、誰も声を出していないにもかかわらず、会場が大合唱に包まれているような錯覚があった(思わず声出た人もいるだろうが)

 

そしてDejavu

戸惑うことなく頭振れる自分に驚いた。

楽しめるかなぁなんて思っていたのがばかみたいだ。

感慨深さはある。泣きそうでもある。そんなメンタリティとは別として、自然に以前と同じようにLIVEを楽しむ自分がいたのは意外だったし、当然でもあるのかもしれない。

それを求めて、過去二十年以上も様々なLIVEに足を運んでいたのだから。

感慨だけじゃない。

 

 

CROSS曲LIVEで化けすぎ問題

前半はCROSSの曲が中心。

CROSSツアーは三郷2日目に参加していたので、LIVEのアレンジとか何が行われるか(ピアノ弾くとか)は分かっていたけど、それでも衝撃だった。

もともとめちゃくちゃいいアルバムだけど、しみじみと「なんていいアルバムなんだろう…」って聴く感じだった。

それがLIVEになったら「こんなかっこいい音楽世の中にあったんですか!!????」ってくらいになる。

PHILIAなんて「こんな曲アルバムに入ってました!!!???」ってくらい化ける。

プログレッシブで展開が多い曲ということもあり、見どころも多いし(ピアノ弾くとか)、LIVEではスケールが格段に大きくなって、より振り幅が大きくなってドラマティックになっているように感じる。

RYUのシャウトで心臓破裂するかと思った。

 

音もあれだけど、RYUICHIの声も本調子じゃないように聴こえる。

少し枯れ気味?

それでも補ってなお余りある歌唱力に圧倒される。

この13か月でさらに歌がうまくなってないか???

そんなことあるの?50歳を超えて???

私なんてこの13か月で給料が減って体重が増えて1歳年が増えただけなのに?????

改めて、不死鳥のような人、そしてバンドだ。 

 

 

20分間の換気休憩。

会場SEは約22分の壮大な1曲「THE ONE」のインストバージョン。

ここへきてTHE ONEの有効な利用方法が見つかると話題に。

 

 

LOVELESSチャンス2倍キャンペーン発動 

休憩明け、月光が流れる。

OPで流さなかったけどここで流れるのね!からの

LOVE…

で本気で

 

うわっ…私の年収、低すぎ…?

 

の人のリアクションしてしまった…

 

声が出せないときに驚くと、たぶん、人はこうなるんだ。

 

1曲目にやらなかったらその日は聴くことが叶わない事実が確定してしまうOP曲としての宿命を背負っていたはずのLOVELESSが!?

ここで!?

 

1日1回のLOVELESSチャンスが2回に増えるなら、今後も2部制でもいいです。

休憩ありがたいですし…奴隷も(メンバーも)高齢化してますんで…

ドラムソロコーナーがなかったから、本来ドラムソロが入るくらいの位置に、間奏でドラムソロが入るLOVELESSを選んだのもあるのかな。

あそこで歓声が聞こえるまでがセットなところあるから、そこは少々寂しい。

あと、LOVELESSが終わるとDejavuが始まる気がしてしまう。 

 

このあとはヒットシングル中心に。

1部と2部で完全に分けてきましたね。これもいいと思う。

 

 

IN SILENCE聴けたのもめちゃくちゃ嬉しい。

最後に聞いたのが30周年武道館で誤魔化せないミスがあったやつなので、それが更新されてよかったみたいなのもある…

 

Hold You Downは毎回泣きそうになる曲。

手拍子だけが許されたLIVEにぴったりの曲。

SUGIZOのかっこいいハンドクラップと真矢のスティック振るやつ見て、幸せってこういうことを言うんだと思ったよ。

 

ROSIER、Jさんは「行くぞさいたま」じゃなくて「全員で行くぞ!」だった。

LIVEが会場以外にも中継されてる状態のとき、当然画面の向こうにも呼びかけはあるし、カメラへの意識みたいなものもあるけど、あくまで「メインは会場」っていうのが当たり前だと思うのよ。

でもこの日のLIVEって、終始「世界中に向かってやってる」っていう感じがしていた。

言葉にするのは難しいんだけど、現地と配信に上も下も距離もない、同じようにこの空間を「共有」しているような、メンバーもその姿勢でやっているような感覚があった。

 

本編の最後はTONIGHT

声は出せなくてもやはりテンションは最高潮。

 

この期間、ほかのバンドの客入りLIVEを配信等で見る機会もいくつかあったけど、「体は自由にしてていいのに声だけ出せない状態」っていうのがどうにも想像つかなかったんだよな。

なんだか奇妙なかんじがしてた。

実際自分が体験してみたら、なんてことはなかった。

RYUは120%、限界を超えて声を出しているようにも見えたし、それを補うようにINORANがマイクに向かうシーンも多かったし、私達もこの思いをどうにか伝えたいといつも以上に思っていたはずで、結果的に「より繋がっている」ように感じたのかもしれない。 

奥浜レイラさんの「交換しているものは同じ」という言葉、めちゃくちゃいい言葉。私が言ったことにしたい。

 

MCとかカーテンコールとか曲中以外の方が、拍手でしか感情を表現できないもどかしさがあったかも。

最も困ったことは、この2日間、全世界に配信しているというのに、RYUのMCがいつも以上に終始ゆるふわだったこと…

それに対するツッコミの役割も果たす笑い声が起こらないので、なんかずっと変だった…

 

  

アンコール、入場時に配られた透明な青いシールを各自スマホのライトに貼り付けて、会場は青い光で埋め尽くされる。

LIVE初披露となるMake a vow、MVも素晴らしいが、また新しく美しい景色が追加された。

 


www.youtube.com

 

 

そしてWISH

声がなくても違和感はないとは言ったけど、

I WISH!の瞬間、あの空白だけは、空白だった。

政府のガイドラインに沿って銀テープも飛ばない。

このレギュレーションでもLIVEは尊くて、眩しくて、十分すぎるほどだったけど、やはり取り戻さなくてはいけないものもある。

そう感じた。 

 

最後の最後はアルバムのラストを飾るso tender…

音源では最後スパッと終わるところ、LIVEではSUGIZOがバイオリンからギターに持ち替え、壮大なクライマックスが用意されている。

これはCROSSツアーでも体感していたことだけれど、今日のこの日のためのアレンジのように感じられた。

今日という日を、明日へ、もっと先へと繋げていく、そんな想いとして受け取った。

 

 

終演後はなんだか呆然としたまま、ゾンビのように駅まで歩いてた。

LIVEってなんて素晴らしいんだろう。

今日の内容よりも、13か月ぶりのLIVEがあまりにも意味があり過ぎて、そんなことを考えながら帰った。

 

また明日、

(ほぼ)満月の夜に。

  
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