めんどくさいからなんもしない

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2019.5.31 LUNA SEA 30th Anniversary 武道館初日

 

ZeppのSLAVE限定GIGの興奮も冷めやらぬまま、LUNA SEA 30th武道館初日を迎えました。

 

過去LUNA SEAはライブ終演後に残り物を見に行く程度にしか物販に関わっていなかったのだけど、今回は意外と購買意欲が湧いた。30周年記念ということも影響したと思う。

とはいえ同行者が午前中から動き出してくれないことは分かっていたので、一般物販開始時刻くらいに武道館到着。

某声優アーティストほどには並ぶことはないと思っていたので、かかっても1時間くらいだと思っていた。甘かった。

結局3時間近い時間を費やした。

なんであんなに時間かかるんだろう?並びの出発地点は某声優アーティストの武道館で3時間並んだ時よりはるかに進んだ位置だったのに。

ファストパスができたことによりスタンバイの列がより長くなったテーマパークと同じようなことが起きているのかもしれないけど、段取りそのものもあまりよくないのかもしれない。

売り切れと言われたものが実は売り切れてなかったとかあったし、自分の前に並んでた人が2回会計をしていたことにはびっくり。そういうの許してたら進まないよ~

 

列に並んで2時間が経った頃、私は思った。

 

「確実に悪くない席が来て、物販も並ばなくていいなら奴隷席って全然高くないよね?」

 

「あっ、頭バカになってきてるよ」

 

間髪入れずにそう返された。そして続けた。

「今にこう言うようになるだろう『3万足せばセレブなら全然高くないよね』と」

いや、奴隷まででしょ、セレブはさすがに高すぎるよ~などとぶつぶつ反論はしてみたし、今の経済状況ではありえない話ではあるが、完全に否定も出来ない話だった。こわい。

 

LUNA SEAのライブは単純明快。

金を払ったやつが一番偉いのだ。

悲しき格差社会、それがSLAVEの世界。

清々しいほどに分かりやすいので、私は否定的な感情はない。むしろ賛成してる。 

LIVEというものはいつだって安くないチケットを買っている客の立場が弱いと常々考えてる。

ファンはみな平等!みたいな感情は分からんでもないが、その平等が不公平を生んでいると、20年以上大小様々なライブに行って思うようになった。

金で序列が決まる方がよほど公平だ。

 

 

この日は一般指定(奴隷以下席と呼んでいる)で北東のスタンド席。

この問題に関してはSUGIZO本人から回答があったので今どうこう言うことではないのだけど、ステージの斜め後ろから見るような席で、下手の二人が全く見えない見切れ席。

私は2日目もある。Zeppもあった。

しかし同行者はこの1日だけ。

彼はルナフェスで一度見ているけど、初ルナシーワンマンでもある。

果たして楽しめるのか。それだけが不安だった。

 

彼がSUGIZOを崇拝しているということは救いだった。

上手側なのでSUGIZOだけは絶対に常に見える。

天下一品食レポをきっかけにSUGIZOにのめりこみ、グルテンフリーまで始めてしまった男だ。

お漬物を最初に食べることも忘れない。

水素水を飲み始めるのも時間の問題だろう。

 

そして幸運にもスタンド最前席なので、ワンチャンハイタッチもできるかもしれない。

 

 

 

LIVEはSLAVE限定で見せた通り、ベストアルバムというべきセットリスト。

同行者はLOVELESSが聴きたかったので、開演前からトリプルネックが袖にあるのを確認して興奮していたけど、ぬか喜びに終わった。

 

しかしそのトリプルネックが使用されたGENESIS OF MINDの存在感たるや。

REBOOT以来9年ぶりに披露されたらしい。

私はCAPACITY∞以来なのでちょうど20年ぶり。

昨年の武道館で闇火を聴いて、29周年にして新しいものを見せてくる、次のステージに足を進めている、進化しているという事実にぶっとんだのだけど、過去の楽曲もまた、彼らと共に次のステージに引き上げられていた。

神々しさなのか、禍々しさなのか、どちらとも取れるようなRYUICHIの近寄りがたい、常人ならざる歌声は、とても手術後の人間とは思えない。

 

およそ2年前のイベントでJを目撃して、20年前のいたいけな甘酸っぱい記憶をほじくり返されて、私はLUNA SEAに戻ってきた。

その日から2017年末のルナクリで実際にライブを見るまでの間、かなりの量のライブ映像を見ていた。

だいたい2曲目のDejavu

おきまりの流れで始まるROSIER

おきまりの流れで飛ぶマイクスタンド

JESUS

Precious

BELIEVE

そしてWISHでエンド

どれを見ても20年前とあまりにも変わってなくてびっくりしたし、それに安心した。

LIVEって、セットリストが変化して当たり前だと思っていたけれど、同じでも全然いいじゃんと思った。

ライオンキングが20年以上上演されているように、20年以上愛されるセットリストがあっていいはずだ。

もはやそれは様式美の世界。

そして、いつでも迎え入れてくれる安心感。

 

これはこれでいいんだ。

そう思ったことは半分は合っていたし、半分は間違ってた。

 

彼らはただの懐古バンドでも、たまに集まって集金ライブをするバンドでもなかった。 

「今」「この時代に」「走り続けている」

それが今のLUNA SEAであると、

昨年の武道館で闇火やBLACK AND BLUEという新境地を体験してはっきり肌で分かった。

それでいて「いつでも迎え入れてくれる安心感」も併せ持っている、懐かしさと新しさのハイブリット、それが今のLUNA SEAだった。

 

さらに今の彼らが一番かっこいい。

昔のヒット曲を並べても、今彼らがやるあの曲たちが一番輝いて見える。

それを強く感じたのがこの30thの武道館でした。

 

まさか2019年の今こんなにも夢中にさせられて、未来に期待させられるとは、20年前はおろか2年前にも想像していなかった。
だけどそうでなければこんなに素晴らしいライブにはならないし、人々も熱狂しないし、LUNA SEAをやる意味もないんだろうな。

 

 

何十年も解散や活動休止もなくバンドを続けている人たちもいるけれど、契約上の集金活動だけであったり、メンバーがほとんど直接会話をせずに成り立っているバンドもあったりする。
そうやって長く続いていくのもありなんだろうとは思う。
もし、終幕前のメンバーがもう少し大人だったなら、落としどころを見つけて続けていく道があったのかもしれない。


でももしそれをしていたら、LUNA SEAはLUNA SEAでなくなっていったと思うし、きっと30周年は迎えられてなかったのではないかと思う。
万が一にでも続いていたとしても、今のキャッキャした仲良しLUNA SEAを目にすることは絶対になかっただろう…


20年前に、30周年のLUNA SEAは最高にかっこいいんだ!って言ったら信じてもらえると思うけど、

 

かっこいい上にみんなニコニコしてて超幸せな感じなんだ!仲良しなんだ!

 
って言ったらぶん殴られそう。


そんなわけないし、そんなルナシーがかっこいいわけがない!!
やるかやられるかのヒリヒリした感じからしかあのLUNA SEAの研ぎ澄まされたかっこよさは生まれないだろうが!!にわかが!!!!!!!!


的なことを言われると思う。


メンバー紹介は毎回コントと化してるよ!

INORANがドーナツ!って言ったら2個!って返すんだ!

とか教えてあげたい。

 

とにかく、終幕がなかったら

今のこんなLUNA SEAってなかったはずだから、

むしろ今LUNA SEAは伝説でしかなくなってしまっていると思うから

改めて終幕には意味があったのだと噛みしめる30周年であった。

 

 

ステージの裏側からの景色は今まで見たことのないものだったので、それはそれでよかった。 

裏スタンドの最前席は普通ならあるはずのステージとの間の溝がなく、ちょっとした段差があるだけで、目の前を遮るものもない。

まるで自分がステージの一部に立ってるような気持ちになれる。

ステージから見る景色ってこんな感じなんだと思ったし、

うしろまで見えてるよってホントだなって思った。

銀テープもとれないけど、テープが舞う景色は美しかったし、それを奪い合う群衆もよく見えてるよ。

 

特に今回はライティングなどの演出効果が非常に素晴らしかった。

遠い席でも楽しめるように考えられているし、そのひとつひとつがとてもとても美しい。

翌日になって分かったことだけど、アリーナ席にいたらそのほとんどを見ることができなかった。

バイオリンを弾くSUGIZOから波紋が広がる美しい演出も見られないどころか、そもそもステージがスクリーンのようになっているということにすら気づくことができない。

本当にスタンドや後方席のためだけにも演出を考えてる、その気持ちは大切に受け取りたい。

 

一番好きだったのは宇宙の詩でミラーボールがブルーに照らされるところ。

アリーナから見たときは武道館全体が包まれるような感覚だったけれど、初日の席からはステージだけが包まれているように見えて、その外側の世界は消えてしまったようだった。

まるでその宇宙の中にいるのはメンバーと自分だけのように感じられた。

あの体験は忘れられない。

 

ジェネシスの炎は近すぎて熱すぎた。

真矢のドラムソロは正面から見た方がかっこよかったけど、背中で感じてうしろと合わせる職人的な凄さは後方からの方が感じた。息を呑んだ。

 

あとは何しろSUGIZOという人間のステージでの動きを隅から隅まで堪能したなと。

指先からつま先までSUGIZOであり続けるSUGIZO

袖への指示が多いSUGIZO(いつブチ切れるのかハラハラした)

いつもの長いカーテンコールに袖からめちゃくちゃ巻きの指示が出ているのに無視し続けるSUGIZO

1曲終わるごとに鏡を見るSUGIZO…

 

SUGIZOってなんであんなにSUGIZOなんだ。

おもしろすぎる。

 

そんなわけだから、あの席から見た景色も、じゅうぶんに素晴らしかった。

  

上手から歩いてきたSUGIZOと下手から来たJが出会った瞬間も最幸でしたね…!

 

だから北スタンド問題に関しての怒りも擁護もどちらも分かる。

北側なのはいいとしても、やっぱり下手の二人が全く見えなかったからこの席は二度とごめんだと思ったなー下手推しには辛すぎた…後ろ姿でももっと遠くてもいいから常に視界に入れたかった…

ただこれからも武道館でライブやってほしい。

アリーナタイプだと縦長になっちゃうし、ドームはライブをやるには大きすぎる。

1万以上の規模で行きたいと思うのって武道館だけなんだよね。

北側を開放してでも武道館でやってくれるありがたみ。これは言っていきたい。

 

  

終演後、同行者は

めちゃくちゃ楽しかったありがとう

と満足そうに言っていたので安心した。

メンバーがめちゃくちゃ近くまで来てくれて、杉様とは握手まで出来たのでかなり満足したらしい。

よかったよかった。

 

 

 

さあ、泣いても笑っても明日で最後!